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東京地方裁判所 平成7年(ワ)15080号 判決

原告

山口英夫

ほか二名

被告

茂木勇

ほか一名

主文

一  被告らは、各自、原告山口英夫に対し、金九万三二八〇円及びこれに対する平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、各自、原告山口高文に対し、金一八五万六一二〇円及びこれに対する平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  被告らは、各自、原告木地貴治に対し、金一二六万六五二五円及びこれに対する平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

四  原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

五  訴訟費用は、これを五分し、その三を原告らの負担とし、その余は被告らの負担とする。

六  この判決は、第一項ないし第三項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

一  被告らは、各自、原告山口英夫(以下「原告英夫」という。)に対し、金三〇万三四九〇円及びこれに対する平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、各自、原告山口高文(以下「原告高文」という。)に対し、金三八五万三五八三円及びこれに対する平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三  被告らは、各自、原告木地貴治(以下「原告木地」という。)に対し、金三五五万五三〇三円及びこれに対する平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要(当事者間に争いがない)

一  本件事故の発生

1  事故日時 平成六年七月一四日午後一〇時二五分ころ

2  事故現場 東京都立川市錦町四―一一―一六先T字路交差点

3  被告車 普通乗用自動車(多摩七七る九一六一)

運転者 被告茂木勇(以下「被告茂木」という。)

所有者 被告六興電気株式会社(以下「被告会社」という。)

4  山口車 小型乗用自動車(多摩五四ね七一六七)

所有者 原告英夫

5  木地車 普通乗用自動車(八王子三三ろ四三〇〇)

所有者 原告木地

6  事故態様 原告高文と原告木地は、山口車と木地車を並べ、山口車と木地車の間に立って、原告高文が山口車に、原告木地が木地車に、それぞれ楽器の積み込み作業をしていたところ、被告茂木運転の被告車が山口車に追突し、その反動で山口車が移動して木地車に衝突し、その結果、山口車と木地車が破損するとともに、原告高文は、左膝内側側副靱帯損傷、頸椎捻挫、頭部挫創、腰部挫傷の、原告木地は、頸椎捻挫、腰部捻挫、顔面挫傷の、各傷害を負つた。

二  責任原因

1  被告茂木

被告茂木は、前方を注視して進行すべき注意義務があるにもかかわらず、これを怠つて進行した過失によつて本件事故を起こしたのであるから、民法七〇九条により損害を原告らに生じた損害を賠償する責任を負う。

2  被告会社

被告会社は、被告茂木の使用者であり、本件事故は、被告茂木が被告会社の業務に従事中、その過失によつて発生したものであるから、民法七一五条により、原告らに生じた損害を賠償する義務がある。

第三損害額の算定

一  原告英夫の損害

1  山口車の車両代 認められない

原告英夫は、山口車の車両代は四〇万円であるところ、被告らは、右価額は三一万円であると主張し、原告英夫に対し、右三一万円を支払つたのみであるので、その差額九万円を支払うべきであると主張する。

甲一の一ないし三によれば、山口車と同種の車両(日産サニー)の標準価格は、二〇万円ないし四〇万円であること、中古車販売価格が三九万円である山口車と同種の車両もあることが認められる。しかしながら、市場における取引価格は、該当する車両の使用状況等、個々の取引の際の状況で変貌するものであり、山口車が、甲一の三に記載されている車両と同一若しくは同車よりも高額に評価され、標準価格の上限の価額に相当すると認めるに足りる証拠はない。他方、被告は、山口車の価額は三一万円であると主張しているところ、山口車と同等の車両の本件事故時の一般的な価額は、甲一の二の価額のほぼ平均的な価額の三一万円であることが認められ(乙二及び三)、他に、山口車の価額が三一万円を超えると認めるに足りる証拠はない。

したがつて、山口車の本件事故時の価額は三一万円と認めるのが相当であるところ、被告が、山口車の車両代として三一万円を原告英夫に支払つていることは当事者間に争いがないので、山口車の車両代は支払い済みであり、原告英夫の主張は理由がない。

2  車両買い替え費用 五万〇三二〇円

原告英夫は、車両買い替え費用として、自動車税(未経過分相当額)二万〇一〇〇円、登録費用一万八〇〇〇円、同預り法定費用五〇〇円、自動車登録番号変更費用一万円、同預り法定費用一四二〇円(プレート代実費)、車庫証明費用九九〇〇円、同預り法定費用二五〇〇円及び納車費用八〇〇〇円の合計七万〇四二〇円を主張し、被告は、これを否認する。

原告英夫が、山口車を買い替えたことは当事者間に争いがなく、甲二によれば、原告英夫が車両を買い替えるために右金額を支出したことが認められる。山口車は全損であつたので、買い替えが必要であり、そのために通常必要とされる費用は本件事故と因果関係のある損害と認められるところ、右のうち、登録費用一万八〇〇〇円、自動車登録番号変更費用一万円及び車庫証明費用九九〇〇円は、買い替えによつて生じた損害と認められる。また、自動車登録番号変更預り法定費用一四二〇円も、ナンバープレート代の実費であることが認められるので、買い替えによつて生じた、必要、かつ、相当な損害と認められる。登録預り法定費用五〇〇円、車庫証明預り法定費用二五〇〇円及び納車費用八〇〇〇円は、販売店に対する報酬であると認められるが、車両購入者は、通常は、右の各手続きを販売店に依頼していること、本件における右報酬の額が不相当に高額ではないことに鑑みると、これらの費用も、本件事故と相当因果関係のある損害と認められる。他方、自動車税は、自動車の取得行為に対して課せられるものではなく、還付制度もあるので、買い替えによつて損害が生じるとは認められない。

したがつて、山口車を買い替えたことによつて生じた損害は、登録費用一万八〇〇〇円、同預り法定費用五〇〇円、自動車登録番号変更費用一万円、同預り法定費用一四二〇円(プレート代実費)、車庫証明費用九九〇〇円、同預り法定費用二五〇〇円及び納車費用八〇〇〇円の合計五万〇三二〇円と認められる。

3  山口車の処理費用 三万二九六〇円

原告英夫は、山口車の処理費用として、保管料四万四〇〇〇円、廃車料二万五〇〇〇円及びこれらに対する消費税二〇七〇円の合計七万一〇七〇円を損害として主張し、被告らはこれを否認している。

右のうち、廃車料二万五〇〇〇円は、買い替えによつて生じた、必要、かつ、相当な損害と認められる。また、保管料も、相当な期間分については、買い替えによつて生じた、必要、かつ、相当な損害と認められるところ、本件事故後一週間程度で山口車を買い替える判断が可能であつたと認められ、保管料として相当な期間も一週間と認められる。したがつて、買い替えによつて生じた相当な保管料は一日当たり一〇〇〇円(甲三)の七日分の七〇〇〇円である。

以上の次第で、本件事故と相当因果関係の認められる山口車の処理費用は、前記廃車料二万五〇〇〇円と右保管料七〇〇〇円の合計三万二〇〇〇円及びこれらに対する消費税九六〇円の合計三万二九六〇円である。

4  代車料 認められない

被告らが原告英夫に対し、二九日分の代車料一一万五八七五円を支払つている事実は、当事者間に争いがない。原告英夫は、さらに七万二〇〇〇円の代車料が必要であると主張する。

山口車の車種(国産車の日産サニー)、山口車が相当年度使用していた車両であることを考慮すると、山口車と同等の車両を買い替えるために必要な期間は、買い替えを検討する期間を入れても、経験則上、少なくとも被告らが代車料として支払つた二九日間を超えるとは認められない。被告らが原告英夫に対し、二九日分の代車料一一万五八七五円を支払つている事実は、当事者間に争いがないので、被告は、相当な代車必要期間の代車料は支払い済みであると認められる。原告英夫は、本件事故の翌日、被告茂木が、車両を買い替えるまでの期間、代車を使用してよい旨話したと主張し、甲一六の一等、右主張にそう証拠も認められるが、右も、買い替えのための、必要、かつ、相当な期間の代車使用を容認したに過ぎないものと認められるので、これをもつて、右期間を超える代車期間が相当と認められない。

他に、右認定を覆すに足りる証拠はないので、原告英夫の主張は採用できない。

5  小計 八万三二八〇円

6  弁護士費用 一万円

本件訴訟の難易度、認容額、その他、本件において認められる諸般の事情に鑑みると、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用相当額は金一万円が相当であると認められる。

7  合計 九万三二八〇円

二  原告高文の損害

1  休業損害 三八万二五〇〇円

(一) 原告高文は、本件事故当時、いわゆるドラマーとして活動し、収入を得ていたこと、原告高文は、本件事故により、左膝内側側副靱帯損傷、頸椎捻挫、頭部挫創、腰部挫傷の傷害を負い、平成七年四月まで治療を要したこと、右期間中休業を要したこと、原告高文の収入は、月額三二万五〇〇〇円であること、原告高文は、本件事故日である平成六年七月一四日から同年一一月一四日までの間、一〇〇パーセントの休業が必要であり、その間の休業損害分として一三〇万円を被告が原告高文に支払つていること、被告らは、同月一五日から平成七年三月末日までの間の原告高文の休業損害分として四三万円を支払つていることは、当事者間に争いがない。

原告高文は、平成六年七月一四日から同年一一月一四日までの間のみならず、同月一五日から平成七年三月末日までの間も一〇〇パーセントの休業が必要であつたから、その間の休業損害は一四六万二五〇〇円であり、その後同年四月一日から同月末日までは五〇パーセントの休業が必要であり、その間の休業損害は一六万二五〇〇円であるから、その合計は一六二万五〇〇〇円となり、被告らが支払い済みの四三万円を控除した差額一一九万五〇〇〇円が休業損害として支払われるべきであると主張している。

(二) 原告高文の前記受傷状況、原告高文が平成七年四月まで治療を要したこと、原告高文は後遺障害を残存することなく治癒していること(これらの事実は、当事者間に争いがない)、原告高文の職業を考慮すると、原告高文は、本件事故日の平成六年七月一四日から同年一二月一三日までの五か月間、一〇〇パーセントの休業が必要であり、その後、平成七年三月一三日までの三か月間は五〇パーセントの休業が必要であつたと認めるのが相当であり、右認定に反する証拠は採用しない。

前記のとおり、原告高文の収入が一月当たり三二万五〇〇〇円であることは、当事者間に争いがないので、右の間の原告高文の休業損害の合計は二一一万二五〇〇円となるところ、前記のとおり、被告らは、原告高文に対し、平成六年七月一四日から同年一一月一四日までの間の休業損害として一三〇万円、同月一五日から平成七年三月末日までの間の休業損害として四三万円の合計一七三万円を支払つているので、休業損害の未払い分は三八万二五〇〇円と認められる。

2  通院交通費 五三四〇円

甲六、一八及び原告高文本人尋問の結果によれば、原告高文は、通院のため、タクシー代として合計五三四〇円を支出したことが認められるところ、前記のとおりの原告高文の受傷状況、タクシーを使用しているのが、平成七年七月一九日から同年八月二日までの間であり、事故直後の短期間に限られていることに鑑みると、右タクシー代は、本件事故と相当因果関係のある損害と認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

3  通院介護費 一万三六〇〇円

甲六、七、一八によれば、原告高文は、通院の補助等のため、訴外菊池照美に二日間付添を依頼し、合計一万三六〇〇円を支払つたことが認められるところ、右の付添は、事故直後の平成六年七月一五日と同月一九日の二日間に限られていること、その際、原告高文は、通院にタクシーを使用していないことが認められ、これによれば、右付添費用も、本件事故と相当因果関係のある損害と認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

4  慰謝料 一二六万円

原告高文が前記傷害が治癒するまでに要した通院期間、その他、本件における諸事情を総合すると、本件における慰謝料は、一二六万円と認めるのが相当である。

5  楽器代 認められない

本件事故で、山口車に積んであつた原告高文所有のドラムセツトが破損した事実、被告らが、ドラム代として、原告高文に対し、四一万八〇五〇円を支払つている事実は当事者間に争いがない。原告高文は、右ドラムセツトの価額は、八八万三五〇〇円であると主張しているのに対し、被告らは、原告高文提出の見積りから、修理可能なものの修理費は九六六〇円、修理不能のものについて、事故時の現価は、新品価額である合計八一万六七八〇円の半額と認めるのが相当であるから、損害額は、右の合計四一万八〇五〇円であり、これらは支払い済みであると主張している。

甲五、原告高文及び原告木地各本人尋問の結果、弁論の全趣旨によれば、本件ドラムを全部新品に買い替えた場合の価額は八八万三五〇〇円であること、ドラムセツトは、原告高文が、個別に買い増しして組合わせたものであり、個々の破損状況によつて、修理可能な部分と修理不能な部分に分かれること、修理可能なものについての修理費は九六六〇円、修理不能なものについての新品価額は合計八一万六七八〇円であること、ドラムは、中古品はほとんど買い手がなく、中古品市場は形成されていないこと、原告高文の主張は、自らが使用していたドラムセツトに対して愛着が強く、主観的に価値が高いと主張しているに過ぎず、客観的に価額が高いと主張しているものではないことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はないところ、右認定の事実によつても、原告高文のドラムの破損による損害額(修理費と時価額の合計)が、被告らが自認する四一万八〇五〇円を超えるとは認められるない。

したがつて、ドラム破損に関する損害額は四一万八〇五〇円を上回ることはないと認められるところ、被告らがドラム破損に関する損害てん補として四一万八〇五〇円を支払つている事実は当事者間に争いがないので、右損害は、支払い済みである。

6  楽器運搬費 二万四六八〇円

当事者間に争いがない。

7  小計 一六八万六一二〇円

8  弁護士費用 一七万円

本件訴訟の難易度、認容額、その他、本件において認められる諸般の事情に鑑みると、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用相当額は金一七万円が相当であると認められる。

9  合計 一八五万六一二〇円

三  原告木地の損害

1  慰謝料 八五万円

原告木地が、本件事故によつて頸椎捻挫、腰部捻挫、顔面挫傷の傷害を負い、平成六年一二月まで通院したことは当事者間に争いがない。右のような原告木地の受傷の程度、原告木地が治癒までに要した通院期間、その他、本件における諸事情を総合すると、本件における慰謝料は、八五万円と認めるのが相当である。

2  代車料 二五万五九六〇円

原告木地は、平成六年七月一五日から同年九月一二日までの間が代車の必要期間であり、その間の代車料として五九万四八二五円を要したところ、被告らから三三万八八六五円が原告木地に支払われているので、その差額二五万五九六〇円が代車料として支払われるべきであると主張している。

甲一九の一及び原告木地本人尋問の結果によれば、当初、原告木地は、木地車の買い替えを希望し、被告茂木と交渉したが、買い替えは断念し、本件事故から一四日後の平成六年七月二八日に修理に出したこと、途中、盆休みがあつたため、修理が終了したのは同年八月二二日であつたこと、修理が終了したものの、木地車の後部ドアの締まりが十分でないことなどから、原告木地は、被告らの加入する訴外興亜火災海上保険株式会社の担当者と協議の上、木地車を再修理に出したこと、再修理が終了したのは同年九月一二日ころであり、原告木地は、同日まで代車としてレンタカーを借りていたことが認められる。右認定の事実によれば、原告木地が、同年九月一二日まで代車を使用したことは、必要、かつ、相当な範囲内と認められる。甲一一によれば、平成六年七月一五日から同年九月一二日までのレンタカー料金は五九万四八二五円と認められるところ、被告らが、このうち三三万八八六五円を代車料金として原告木地に支払つていることは当事者間に争いがないので、その差額二五万五九六〇円が代車料金として認められる。

3  楽器代 認められない

本件事故で、木地車に積んであつた原告木地所有のドラムセツトが破損し、新品に取り替える必要があつた事実、被告らが、ドラム代として、原告木地に対し、一三〇万四四三五円を支払つている事実は当事者間に争いがない。原告木地は、右ドラムセツトの価額は、新品の価額である二六〇万八八七〇円であると主張しているのに対し、被告らは、新品価額の半額の一三〇万四四三五円が本件事故時の現価であるから、損害額は、一三〇万四四三五円であり、これらは支払い済みであると主張している。

甲九の一ないし四、原告木地本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、本件ドラムを全部新品に買い替えた場合の価額は二六〇万八八七〇円であること、原告木地のドラムセツトは、原告木地が、二、三年かけて個別に買い増しして組合わせたものであり、修理は不能であり、買い替えが必要であつたこと、ドラムは、中古品はほとんど買い手がなく、中古品市場は形成されていないこと、原告木地の主張は、自らが使用していたドラムセツトに対して愛着が強く、主観的に価値が高いと主張しているに過ぎず、客観的に価額が高いと主張しているものではないことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はないところ、右認定の事実によつても、原告木地所有のドラムの本件事故時の価額が、被告らが自認する一三〇万四四三五円を超えるとは認められない。

したがつて、ドラム破損に関する損害額は一三〇万四四三五円を超えることはないと認められるところ、被告らがドラム破損に関する損害てん補として一三〇万四四三五円を支払つている事実は当事者間に争いがないので、右損害は、支払い済みである。

4  楽器運搬費 四万〇五六五円

甲一〇、一九の一及び原告木地本人尋問の結果によれば、原告木地は、ドラムを買い替えるために、まず、見積もりのために破損したドラムを平成六年八月一一日から同月二七日にかけて三度に分けて持込み、同年九月一四日から同年一〇月二日にかけて、新品のドラムを三度に分けて自宅に搬入したため、合計六回、車両を使用して楽器店に行つたこと、右の交通に要した費用は、見積もりの際が二万一五〇〇円、新品の搬入の際が一九〇六五円であることが認められるので、右合計四万〇五六五円が、本件と相当因果関係のある損害として認められる。

5  小計 一一四万六五二五円

6  弁護士費用 一二万円

本件訴訟の難易度、認容額、その他、本件において認められる諸般の事情に鑑みると、本件事故と相当因果関係のある弁護士費用相当額は金一二万円が相当であると認められる。

7  合計 一二六万六五二五円

第四結論

以上のとおり、原告英夫の請求は、被告らに対して、各自、金九万三二八〇円及びこれに対する本件事故の日である平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員の支払いを、原告高文の請求は、被告らに対して、各自、金一八五万六一二〇円及びこれに対する同じく平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員の支払いを、原告木地の請求は、被告らに対して、各自、金一二六万六五二五円及びこれに対する同じく平成六年七月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員の支払いを、それぞれ求める限度で理由があるが、その余の請求はいずれも理由がない。

(裁判官 堺充廣)

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